お雑煮になるとを入れる意味は?縁起の良い理由と歴史的な由来

お雑煮

お雑煮になるとを入れる意味は?縁起の良い理由と歴史的な由来

お正月が近づいてくると、年末年始の準備で忙しくもありつつ、毎年お雑煮を食べるのが本当にワクワクしますよね。

地域やご家庭ごとに特色が出るお雑煮ですが、ふとSNSやテレビの特番などでお雑煮の画像を見たとき、「あれ?どうしてラーメンによく入っている『なると』がお雑煮に入っているのかな?」と疑問に思ったことはありませんか。

私も昔は「ただ彩りがいいからかな?」くらいに思っていたのですが、実はお雑煮のなるとにはとても深く、そしてお正月というハレの日にふさわしい素敵な意味が込められているんです。

その由来やかまぼことの決定的な違いを知ると、いつものお正月がもっと楽しく、そして味わい深いものになりますよ。

また、なるとを入れる地域が日本のどこなのかという地理的な不思議や、北海道特有の「つと巻き」との違い、さらには縁起の良い切り方や「の」の字を向ける正しい作法など、知っておきたい豆知識も盛りだくさんです。

今回は、お雑煮のなるとに関するちょっとした疑問について、私と一緒にすっきりと解決していきましょう!

この記事を読んでわかること
  • お雑煮になるとを入れる縁起の良い理由と歴史的な由来
  • なるとを入れる地域と入れない地域(東西の文化の違い)
  • 北海道特有の具材であるつと巻きとなるとの決定的な違い
  • お正月のお雑煮にぴったりななるとの切り方と盛り付けの向き

お雑煮になぜなるとを入れるのか意味と由来を解説

お雑煮の蓋を開けたとき、色鮮やかななるとがパッと目に飛び込んでくると、とても華やかな気分になりますよね。

実はあれ、単なる見栄えや彩りのためだけではなく、お正月というハレの日にふさわしい、とても素敵な願いや祈りが込められているんです。

ここでは、その色や独特の形に隠された縁起の良い理由と、そもそもいつ頃からお雑煮に使われるようになったのかという歴史的な背景について、少し深く紐解いていきますね。

紅白の魔除けと清浄で新年の生命力を願う理由

なるとの鮮やかなピンク(または赤)と白のコントラスト、お椀の中でとても映えて綺麗ですよね。

実は、この紅白の色合いがお正月を寿ぐ大切なシンボルになっているんです。

赤と白が持つ古来からの意味合い

日本の伝統的な考え方において、古くから「赤い色」には邪気を払う「魔除け」の意味があり、家族の無病息災を願う強い思いが込められています。

一方で、「白い色」は神様を迎えるための「神聖さ」や、穢れのない「清浄」を示していると言われているんです。

新しい年を清らかな気持ちで迎え、新年の力強い生命力を体にたっぷり取り込むために、この紅白の縁起の良い彩りが欠かせないんですね。

私自身、元旦にお椀の中で紅白が鮮やかに映えているのを見ると、自然と背筋がスッと伸びるような、とても新鮮で引き締まった気持ちになります。

渦巻き模様が象徴する無限の繁栄と不老長寿

なるとの一番の特徴であり、愛らしさの秘密といえば、あのくるくるとした「渦巻き模様」ですよね。

ただ可愛いからあのデザインになったわけではなく、この模様にも、実は「無限」や「成長」「生命力」といった力強いメッセージが隠されているんです。

龍神信仰や自然のエネルギーとの結びつき

途切れることなくぐるぐると続くらせん状の形は、世代を超えて末永く続いていく家運や、生命力が永遠に続くことを意味しているとされています。

また、東洋の文化において不老長寿の象徴とされる「龍」が空へ昇っていくダイナミックな動きや、水を司るエネルギーにも似ていると言われているんですよ。

永遠の繁栄を願うお正月に、まさにぴったりの縁起物だなと心から思います。

切り口の『の』の字は贈り物の熨斗を表す吉祥の印

なるとを包丁で切ったときに見える、平仮名の「の」の字。

これを見ると、お祝い事の贈り物にかける「熨斗(のし)」や、ご祝儀袋の「のし紙」の文字を連想しませんか?

昔から、言葉の響きや形から連想される縁起を担ぐのは、日本ならではのとても素敵な文化ですよね。

「の」の字が吉祥の印として喜ばれるのも、そうした言葉遊びや、身の回りのものを縁起物に見立てる心の豊かさからきているんです。

何気ない渦巻き模様の中に、おめでたい意味をしっかりと見出す昔の人の感性って、本当に素晴らしいなと感心してしまいますよね。

紅白かまぼこと同様に初日の出に見立てた縁起

おせち料理やお雑煮の定番練り物といえば、真っ先に「紅白かまぼこ」を思い浮かべる方も多いと思いますが、なるとも同じ練り物として、かまぼこと共通の縁起をしっかりと担いでいます。

なるとの美しい丸い形と、白の中にぽっかりと浮かぶピンクの模様が、元旦の澄み切った空に昇る「初日の出」を思わせるんですね。

かまぼこの半円形が地平線からの日の出に見立てられるのと同じように、なるとの丸い形や鮮やかな色合いも、おめでたい初日の出の象徴としてお雑煮に華を添えてくれます。

手軽にパッと彩りを加えられるだけでなく、縁起も良いので、お正月にはとっても重宝する具材ですよね。

江戸の蕎麦文化からすまし汁の具材に定着した歴史

でも、縁起が良いからといって、なぜ蒲鉾ではなくあえて「なると」がお雑煮に入ることが多いのでしょうか。

そのルーツを探っていくと、江戸時代の終わり頃の食文化にまで遡ることになります。

当時の料理書にはすでに「鳴門」という調理法が載っていたそうですが、これが一般の庶民の間に広く普及したのは、江戸後期のおかめ蕎麦や五目蕎麦の具材として使われるようになったことが大きな理由だと言われています。

お蕎麦屋さんのトッピングとして人気を集め、そこからすまし汁の定番具材として定着し、お正月のお雑煮にも自然と使われるようになっていったんですね。

【豆知識】なるとの名前の由来

ちなみに、「なると」という名前は、兵庫県(淡路島)と徳島県の間にある鳴門海峡の激しい「渦潮」に見立てて名付けられたという説が最も有名です。

荒々しくも美しい海流のダイナミックな動きを、食卓の小さな練り物に取り入れるなんて、当時の職人さんの粋な発想には驚かされますよね!

お雑煮のなるとの意味を知る地域差と調理時の疑問

なるとに込められた素敵な意味がたくさんわかったところで、「あれ?そういえばうちのお雑煮にはなるとは入っていないかも」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実はお雑煮の具材や味付けは、住んでいる地域や家庭によって驚くほどバラバラなんです。

ここからは、なるとを入れる地域の秘密や、いざ調理するときに迷いがちな「盛り付けの向き」や「切り方」について、わかりやすくまとめていきますね。

なるとを入れるのは東京など東日本の雑煮が主流

実はお雑煮になるとを入れる文化は、東京を中心とした関東や東北、北海道など東日本に多く見られる特徴なんです。

東日本のお雑煮は、かつお節や昆布のしっかりとしたお出汁に醤油をきかせた「すまし汁」仕立てに、焼いた「角餅」を入れるのが主流ですよね。

(出典:農林水産省『うちの郷土料理|お雑煮 東京都 』)

すっきりとした透明なすまし汁だからこそ、なるとの鮮やかなピンク色が濁らずにとてもよく映えるのだと思います。

江戸の蕎麦文化から発展したという歴史を考えると、関東でなるとが好まれるのも納得ですね。

関西など他地域では丸餅や白味噌の具材が定番

一方で、関西をはじめとする西日本では、お雑煮のスタイルがガラッと変わります。

お餅の形に着目すると、岐阜県の関ヶ原付近を境にして、東日本が「角餅」なのに対し、西日本は「丸餅」を使う地域がほとんどです。

汁の味付けも、京都を中心とする近畿圏や四国の一部では、とろりとした白味噌仕立ての汁に、焼かずに茹でた「丸餅」を合わせるのが定番となっています。

具材も、なるとなどの練り物は使わず、丸く切った大根や金時人参、里芋(頭芋)などを入れて、家族の円満や人の上に立てるようにといった願いを込めるシンプルなものが好まれます。

なお、同じ西日本でも中国地方や九州地方などでは「すまし汁に丸餅」を合わせる地域が多いなど、バリエーションは実に多彩です。

東日本の「角餅を使ったすまし汁仕立て(なると入り)」と西日本の伝統的なお雑煮文化の違いを見比べてみると、日本の食文化の奥深さを改めて感じられますね。

※地域のお雑煮の由来や食材の意味については、ここでご紹介した以外にもさまざまな諸説や家庭ごとの伝統があります。

ここでご紹介しているのはあくまで一般的な目安ですので、ご自身の地域の詳しい伝統が気になる方は、親戚の方に聞いてみたり、地元の専門家や自治体の公式サイトなどもぜひ確認してみてくださいね。

きっと新しい発見があるはずですよ!

北海道の雑煮で使われるつと巻きとの違いを解説

なるとがよく使われる東日本の中でも、北海道や東北の一部のお雑煮には少し変わった特徴があります。

北海道では「なると」とそっくりな見た目をした「つと(つと巻き)」という独自の練り物が広く使われているんです。

つと巻きは、すだれ(藁のつと)で巻いて蒸し上げる伝統的な製法に由来しており、表面にギザギザとした凹凸がしっかりとついているのが特徴です。

なると巻がシート状の白とピンクのすり身を全体に巻いて渦巻きを作るのに対し、つと巻きは中央に平仮名の「つ」の字のようにピンクのすり身を配しています。

原料すり身の配合や弾力感も少し異なり、プリッとしたしっかりめの歯ごたえが楽しめるため、お雑煮に入れたときの食感の違いを食べ比べてみるのも面白いですよ。

比較項目なると巻つと(つと巻き)
断面の模様平仮名の「の」の字(全体を巻いた渦巻き)平仮名の「つ」の字(中央に配した模様)
外側の形状細かい波状のひだすだれ(つと)で締めたはっきりとした凹凸
食感の特徴ソフトでしなやか、汁物と自然になじむしっかりとした弾力があり歯ごたえが際立つ
よく使われる地域関東を中心とした東日本全般主に北海道や東北の一部地域

盛り付ける向きは『の』の字が見える表側にする理由

いざ自分でお雑煮になるとを入れるとき、「あれ?これってどっちの面を上にしたらいいんだろう?」と迷ったことはありませんか?

実は、なるとの盛り付けにはちょっとしたルールというか、美しい作法があります。

先ほどお話ししたように、なるとの模様はお祝い事の「熨斗(のし)」を連想させる縁起物です。

そのため、お椀の中を覗き込んだときに平仮名の「の」の字が正しく読める向きを表(上)にして盛り付けるのが作法とされているんです。

せっかくの縁起物ですし、食べる人への気遣いでもありますから、盛り付けるときはぜひ「の」の字の向きを意識して、綺麗に見えるよう配置してみてくださいね。

厚さ5ミリに切るコツと華やかなお花なるとの技

なるとを切るときの厚さや切り方にも、美味しく、そして美しく見せるためのポイントがあります。

お雑煮に最適な厚さと基本の切り方

一般的な和食の基本としては、「5mmほどの厚さ」で輪切りか斜め薄切りにするのが一番バランスが良いとされています。

この厚さだと、お餅と一緒に頬張ったときや、汁物と一緒に食べたときにちょうど良い食感になるんです。

斜めに切ると断面積が広がるので、より存在感が出ますよ。

華やかさをプラスする「お花なると」

さらに特別感を演出したいお正月には、「お花なると」という飾り切りに挑戦するのもおすすめです。

なるとの外周に沿って縦に浅くV字の切り込みを5本ほど等間隔に入れ、そのまま輪切りにするだけで、まるで梅の花が咲いたような可愛らしい形に仕上がりますよ。

【安全第一のお願い】

飾り切りをするときは、包丁を細かく動かすことになるので、手を切らないよう十分注意して、ゆっくり丁寧に作業してくださいね。

最終的な安全確保はご自身の責任で行っていただき、不安な方や時間がない時は、無理せず普通の斜め切りでお楽しみください。

切り口が綺麗な「の」の字になっているだけで、十分にお正月らしい華やかさが出ますよ!

お雑煮になぜなるとを入れる?意味を知って新年を祝おう

ここまで、お雑煮になぜなるとを入れるのか、その深い意味や地域差について私と一緒に見てきました。

何気なく食べていた身近ななるとに、魔除けや無限の繁栄、そして日の出や熨斗に見立てたこんなにもたくさんの前向きな願いが込められていたなんて、本当に驚きですよね。

お雑煮は、ただ美味しいだけでなく、新しい一年の家族の健康と幸せを願う、日本の大切な行事食です。

次に家族や大切な人とお雑煮を囲むときは、「ねえ、なるとにはこんな素敵な意味があるんだよ」と、ぜひ今日知った豆知識としてお話ししてみてください。

きっと会話も弾むと思います。

なるとの持つ素晴らしい縁起パワーをたっぷりと取り入れて、皆様にとって新しく迎える年が、健康で笑顔あふれる素晴らしい一年となることを心から願っています!